アラカン!嵐勘十郎ではありません。
ミャンマー西部に位置する州で現在はヤカインと呼ばれている地域です。ミャンマーは織物の宝庫だ。特にアラカンに住んでいるカミ・チン族の織物は素晴らしい。今回はカミ・チン族の村と顔面刺青の風習が残っているレイト・チン族の村を訪ねてみようと計画した。
出発前にミャンマー在住日本人K氏(52歳)とミャンマー人M君(26歳)が同行することになった。K氏はヤンゴンで田舎から出てきた若者に仕事を与え、利益追求より職場確保を優先するビジネスを展開している。最新型ニコン一眼レフのデジカメを買い求めたばかりのK氏はアラカン遺跡に興味を感じてその写真撮りを目的に参加。M君はK氏の下で働き昨年頑張って日本語検定2級の試験に合格した苦労人だ。今回は俺の通訳兼雑用係だ。
ヤンゴンから飛行機で西へ2時間、カラダン川がベンガル湾に注ぎ込む州都:シットエーは人口6万人の小さな町だ。シットエーのアラカン人はバングラデッシュと国境を接しているのか肌の色黒く、がっしりした身体つきに精悍で厳しい目つきをしている。アラカンにはアラカン相撲があり日本と同じく素肌に褌スタイルで四つに組んでいる写真があった。勇猛の言葉がぴったりの姿だ。毎年11、12月に開催されると聞いた。
大相撲にもモンゴルの次はアラカン横綱が登場?
商店街は300m位の1本道に市場が付いているだけだが人通りが多く賑やかだ。市民の交通手段は自転車に椅子を横につけたサイカーで1回20円程度と格安だが幅が36cmしかなく振動すると腰骨があたり痛い。腰幅の広い人は乗れない。何人かで乗るのはバイクにリヤカーをつけたトクトクを利用する。自動車はトラックを時々見かける程度で信号機もない町だ。
夕方近くになるとアルミの水甕を頭上に載せてせっせと家に水を運んでいる女性や子供の姿を目にする。
目的地ミャウーはここから北へ70km、船で6時間余りの所だ。
ミャンマー名物に停電がある。ヤンゴンでも停電が時々あり停電に慣れている市民は誰も騒がない。シットエーから先は頻繁に停電があると聞いた。ミャウーへの電話はここ2週間不通でホテル、ボート、ガイドの手配は現地で調達するしか方法がない。
いつもと違い3人組なので何とかなると余裕を持ってミャウーへ向かった。
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